受胎告知Fake of fate【アンビエンス エフェクト第二のマリア】
さっきまで其処で醜態を晒していた俺。
でもそれは、本当の自分を見つける過程だった。
(まことと巡り逢えたのは、アンビエンスエフェクトのゲームの中だった。俺はあのゲームによってまことの居る場所へ飛ばされたんだ。あのゲームにはそんな威力があったんだった)
そう思い回りを見渡す。
(そうだ。確かあの時も……)
それは施錠お袋の部屋だった。
下に収納の付いたベッドの横に、俺の部屋とは違う物……ベッドの跡を見つけたんだ。
(きっと二段ベッドの片割れが置いてあったんだ。きっと其処に宇都宮まことが眠っていたんだ)
そう思った。
だから今……辺りを見回すことにした。
(いる訳がない)
そんな諦めの中に俺は身をおいていたのだった。
でも、遂に見つけた。
まことを見つけた。
愛する妻を見つけることが出来た。
正直、いる訳ないと思っていた。
でも実際に其処にいた。
何が何だか解らない。
それでも嬉しかった。
俺はまことの元へ駆けていこうとした。
まことは屋上の柵に頭を付けて、眞樹と赤坂奈津美のために手を組んでいた。
その姿はまさに聖人そのものだった。
俺は思わず息を飲んだ。
邪魔をしてはいけないとも思った。
まことはそれほど気高かった。
(何故!?)
嬉しさよりも恐怖がよみがえる。
俺は震えていた。
まことを瞬間移動で連れて来てしまったと思ったからだった。
俺は忘れていたんだ。
本当は信じてもいなかったんだアンビエンスエフェクトの力を……
「マリーは、本当に優しいね。そう思わないか?」
一馬が言った。
「マリー!?」
「フランス語のマリアだよ」
「えっ、ええっー!?」
俺は突拍子のない声を出していた。
「マリア・マグダレナ……それが彼女の洗礼名だ」
「マリア・マグダレナ?」
「解らないか? マクダラのマリアだよ」
「えっ!? あのもう一人のマリア?」
「私は彼女と会った途端に感じた。だから眞樹を救世主だと思ったのだ。マクダラのマリアが救世主を見守ってくれていると感じた訳だ。でもそれは、どうやら君だったようだ」
望月一馬はそう言っていた。
でもそれは、本当の自分を見つける過程だった。
(まことと巡り逢えたのは、アンビエンスエフェクトのゲームの中だった。俺はあのゲームによってまことの居る場所へ飛ばされたんだ。あのゲームにはそんな威力があったんだった)
そう思い回りを見渡す。
(そうだ。確かあの時も……)
それは施錠お袋の部屋だった。
下に収納の付いたベッドの横に、俺の部屋とは違う物……ベッドの跡を見つけたんだ。
(きっと二段ベッドの片割れが置いてあったんだ。きっと其処に宇都宮まことが眠っていたんだ)
そう思った。
だから今……辺りを見回すことにした。
(いる訳がない)
そんな諦めの中に俺は身をおいていたのだった。
でも、遂に見つけた。
まことを見つけた。
愛する妻を見つけることが出来た。
正直、いる訳ないと思っていた。
でも実際に其処にいた。
何が何だか解らない。
それでも嬉しかった。
俺はまことの元へ駆けていこうとした。
まことは屋上の柵に頭を付けて、眞樹と赤坂奈津美のために手を組んでいた。
その姿はまさに聖人そのものだった。
俺は思わず息を飲んだ。
邪魔をしてはいけないとも思った。
まことはそれほど気高かった。
(何故!?)
嬉しさよりも恐怖がよみがえる。
俺は震えていた。
まことを瞬間移動で連れて来てしまったと思ったからだった。
俺は忘れていたんだ。
本当は信じてもいなかったんだアンビエンスエフェクトの力を……
「マリーは、本当に優しいね。そう思わないか?」
一馬が言った。
「マリー!?」
「フランス語のマリアだよ」
「えっ、ええっー!?」
俺は突拍子のない声を出していた。
「マリア・マグダレナ……それが彼女の洗礼名だ」
「マリア・マグダレナ?」
「解らないか? マクダラのマリアだよ」
「えっ!? あのもう一人のマリア?」
「私は彼女と会った途端に感じた。だから眞樹を救世主だと思ったのだ。マクダラのマリアが救世主を見守ってくれていると感じた訳だ。でもそれは、どうやら君だったようだ」
望月一馬はそう言っていた。