受胎告知Fake of fate【アンビエンス エフェクト第二のマリア】
「やはり、大天使ガブリエルだったのですね」
俺は思わず呟いた。
第二のマリア・マリアローズに受胎告知したのは、大天使ガブリエルだったのだ。
「つまり俺は?」
「あなたこそ、第二の救世主です。先ほどもそう言ったはずですが……」
何故もう一度尋ねたのか俺には解っていた。
そう……
俺はその言葉を確かめたかっただけなのかも知れない。
一馬はそんな俺に、優しそうな笑顔を向けていた。
それはあの白い部屋での結婚式で見た姿そのものだった。
「前世や歴史がどうでも良いではないですか。お二人は紆余曲折の後結ばれた。それだけで良いと思いますが」
一馬のその言葉を噛み締めながら、まことの後ろ姿を見つめた。
此処からだと見えない、まことの視線の先。
望月眞樹と赤坂奈津美の遺体をまことを通して見つめていた。
俺はまことの中に入っていたのだ。
まことは本当に慈愛に溢れた娘だった。
それは聖母マリアを凌ぐほどの……
まことは赤坂奈津美と望月眞樹の幸せを祈っていた。
今となっては叶わない、二人の結婚を望んでいたのだ。
(出来るならそうさせてやりたかったな)
まことには聞こえないかも知れないけど、それは俺の精一杯の罪滅ぼしの言葉だった。
あのアンビエンスエフェクトの中で俺が宇都宮まことを選んだことを知り、眞樹はきっとホッとしたことだろう。
愛する赤坂奈津美をゲームのキャラクターに使ってしまったことを悔やんでいたはずだから……
だから宇都宮まことをあの部屋に連れて行けたのだろう。
でも宇都宮まことも小さい頃からずっと一緒に過ごした仲間ではなかったのか?
(何故だ? もしかしたら俺と墜ちると解っていながら、どうして彼処にまことを連れて行ったのだ? それも催眠術まで掛けて……」
それにふと気付いて、やはり眞樹を許せなくなっていた。
それでも宇都宮まことは清らかな心で下に横たわる二人があの世で結ばれることだけを祈り続けていた。
もっとまことを見ていたかった。
でも俺はふと一馬が気になり、視線をそちらに向けた。
(いいのか、こんな場所に居て……。眞樹の所に行ってやれよ)
そう言ってやりたい。
でも、俺が心配だから此処にいることを本当は理解していた。
俺は思わず呟いた。
第二のマリア・マリアローズに受胎告知したのは、大天使ガブリエルだったのだ。
「つまり俺は?」
「あなたこそ、第二の救世主です。先ほどもそう言ったはずですが……」
何故もう一度尋ねたのか俺には解っていた。
そう……
俺はその言葉を確かめたかっただけなのかも知れない。
一馬はそんな俺に、優しそうな笑顔を向けていた。
それはあの白い部屋での結婚式で見た姿そのものだった。
「前世や歴史がどうでも良いではないですか。お二人は紆余曲折の後結ばれた。それだけで良いと思いますが」
一馬のその言葉を噛み締めながら、まことの後ろ姿を見つめた。
此処からだと見えない、まことの視線の先。
望月眞樹と赤坂奈津美の遺体をまことを通して見つめていた。
俺はまことの中に入っていたのだ。
まことは本当に慈愛に溢れた娘だった。
それは聖母マリアを凌ぐほどの……
まことは赤坂奈津美と望月眞樹の幸せを祈っていた。
今となっては叶わない、二人の結婚を望んでいたのだ。
(出来るならそうさせてやりたかったな)
まことには聞こえないかも知れないけど、それは俺の精一杯の罪滅ぼしの言葉だった。
あのアンビエンスエフェクトの中で俺が宇都宮まことを選んだことを知り、眞樹はきっとホッとしたことだろう。
愛する赤坂奈津美をゲームのキャラクターに使ってしまったことを悔やんでいたはずだから……
だから宇都宮まことをあの部屋に連れて行けたのだろう。
でも宇都宮まことも小さい頃からずっと一緒に過ごした仲間ではなかったのか?
(何故だ? もしかしたら俺と墜ちると解っていながら、どうして彼処にまことを連れて行ったのだ? それも催眠術まで掛けて……」
それにふと気付いて、やはり眞樹を許せなくなっていた。
それでも宇都宮まことは清らかな心で下に横たわる二人があの世で結ばれることだけを祈り続けていた。
もっとまことを見ていたかった。
でも俺はふと一馬が気になり、視線をそちらに向けた。
(いいのか、こんな場所に居て……。眞樹の所に行ってやれよ)
そう言ってやりたい。
でも、俺が心配だから此処にいることを本当は理解していた。