受胎告知Fake of fate【アンビエンス エフェクト第二のマリア】
それは俺の任命式での出来事だった。
俺に鋭い眼光をぶつけて来た者がいた。
俺は素早くその者にインした。
それはあの幹部候補生の仲間だった。
『今それを使っては駄目だ。何人もの仲間を犠牲に出来ないだろう?』
そう……
彼は武器を隠し持っていたのだった。
俺の力を知ったのか、今度は睨み付けて来た。
『君の怒りや哀しみは判る。だからといって暴力に出たのでは何の解決にもならない。だからそのパワーを、教団のために役立てほしい』
俺はそう念を送った。
俺はもう一度その男性の意識を読んでみた。
彼は俺が仲間を通報したと思っていたようだった。
俺は式を一旦中断して、まことと眞樹が受けた行為を説明するために再度念を送った。
彼は、眞樹への実験を知らなかったのだ。
動物の血液を輸血された眞樹の苦悩。
それでもトップを目指した執念。
一通り説明をした後、俺はかなり疲労していた。
それでも、まだ俺は言い続けた。
その力を教団のために使ってほしいと。
『アンタは化け物か?』
『そうだ化け物だ。でも俺は生きている。眞樹の分までも生きようと思っている』
俺は本当にそう思っている。
だから、彼にも一緒に生きてほしかったんだ。
彼は此処で暴れて警察沙汰になることを望んでいたのだった。
何とか納得してくれたのをいいことに、俺は式典の終後ケーゲー本部に彼を招いた。
「あれっ松本さん、此処で何遣っているんですか?」
部屋に入るや否や彼が言った。
実は松本君は此処で俺の手伝いをしてくれていたのだ。
「知り合いだったのか?」
「昔同じ施設だったんです。俺は良く施設を抜け出しては川で遊んでいた」
「あっ、俺と遊んでいたあの川か?」」
俺は懐かしく思い出していた。
彼は俺の机に飾られている眞樹の写真を見ていた。
「趣味悪いね」
「俺んじゃないよ、俺達は双子だったんだ」
それは式典の始まる前に伝えられていた。
「それは解っていた。でも本当にそっくりだったから自分の写真を飾って楽しんでいるのかと思ってさ」
「まさか、俺はナルシストじゃないよ」
俺は笑っていた。
(あっ、俺今笑ってる)
俺はその時、今まで笑っていなかったことに気付いた。
(もしかしたら彼は本当に教団を憂いでいただけなのかも知れない。俺は素晴らしい仲間に巡り会えたのかも知れない)
心からそう思っていた。
俺に鋭い眼光をぶつけて来た者がいた。
俺は素早くその者にインした。
それはあの幹部候補生の仲間だった。
『今それを使っては駄目だ。何人もの仲間を犠牲に出来ないだろう?』
そう……
彼は武器を隠し持っていたのだった。
俺の力を知ったのか、今度は睨み付けて来た。
『君の怒りや哀しみは判る。だからといって暴力に出たのでは何の解決にもならない。だからそのパワーを、教団のために役立てほしい』
俺はそう念を送った。
俺はもう一度その男性の意識を読んでみた。
彼は俺が仲間を通報したと思っていたようだった。
俺は式を一旦中断して、まことと眞樹が受けた行為を説明するために再度念を送った。
彼は、眞樹への実験を知らなかったのだ。
動物の血液を輸血された眞樹の苦悩。
それでもトップを目指した執念。
一通り説明をした後、俺はかなり疲労していた。
それでも、まだ俺は言い続けた。
その力を教団のために使ってほしいと。
『アンタは化け物か?』
『そうだ化け物だ。でも俺は生きている。眞樹の分までも生きようと思っている』
俺は本当にそう思っている。
だから、彼にも一緒に生きてほしかったんだ。
彼は此処で暴れて警察沙汰になることを望んでいたのだった。
何とか納得してくれたのをいいことに、俺は式典の終後ケーゲー本部に彼を招いた。
「あれっ松本さん、此処で何遣っているんですか?」
部屋に入るや否や彼が言った。
実は松本君は此処で俺の手伝いをしてくれていたのだ。
「知り合いだったのか?」
「昔同じ施設だったんです。俺は良く施設を抜け出しては川で遊んでいた」
「あっ、俺と遊んでいたあの川か?」」
俺は懐かしく思い出していた。
彼は俺の机に飾られている眞樹の写真を見ていた。
「趣味悪いね」
「俺んじゃないよ、俺達は双子だったんだ」
それは式典の始まる前に伝えられていた。
「それは解っていた。でも本当にそっくりだったから自分の写真を飾って楽しんでいるのかと思ってさ」
「まさか、俺はナルシストじゃないよ」
俺は笑っていた。
(あっ、俺今笑ってる)
俺はその時、今まで笑っていなかったことに気付いた。
(もしかしたら彼は本当に教団を憂いでいただけなのかも知れない。俺は素晴らしい仲間に巡り会えたのかも知れない)
心からそう思っていた。