受胎告知Fake of fate【アンビエンス エフェクト第二のマリア】
宇都宮まことは笑いながら、手で俺の太ももを軽く叩く。
(ビクッ!!)
俺はそれだけで浮き足立つ。
心も体も堅くなる。
得体の知れない何かが。
宇都宮まことの手から俺の太ももに入った気がした。
それが俺の身体中を蠢きながら、恋しい気持ちを植え付けていく。
(恋の始まりってこんなもんなのかな?)
自分がどんどん抑えられなくなっていく。
(ヤバい! ヤバ過ぎる! 落ち着け、落ち着け)
それでもまだ俺は臆病だった。
(えっー!? 今のは何だ!? 何故……
宇都宮まことが……。俺を……俺の太ももを触った!? バーチャルだろ? そんなことって……有り得るはずがない!?)
俺は重大なことを見過ごしていた。
これがバーチャルゲームだったと言うことを。
其所には存在しない相手を感じれる訳がないのだ。
俺は深呼吸をして、ゲームに集中しようと画面を見つめた。
宇都宮まことから目が離せない。
次の作戦は?
今度は何処に連れてってくれるのか?
何を仕掛けてくるのか?
期待感だけてアップアップしそうだ。
俺は興奮状態の、頭を振りながら画面を追った。
(何やってんだ俺。本気で恋愛する気か!?)
俺はまだ消極的な自分に気付いて、突っ走ることをためらってもいた。
恋なんて出来ないと思っていた。
きっと俺は母を愛するために生まれ来たのだろう。
そんな風にずっと思っていた……。
それ程俺は、母の傍に居ることを望んでいた。
俺は……
母が大好きだったんだ。
小さい時から無理やり心を押さえつけてきた。
その反動からなのか?
だから尚更俺だけを愛してほしかった。
何処にも行ってほしくなかった。
そんなマザコン男が、バーチャルラブに夢中になるなんて……
俺は複雑な心を抱きながら、宇都宮まこと待ちわびていた。
少しだけ《萌》が解ったような気がした。
ゲームのキャラクターの格好をした女性に夢中になったクラスメート。
アイドルにまはまる友人。
みんな口々に《萌》と唱える。
きっと俺もみんなと同じように萌ているのだろう。
そう宇都宮まことに。
まあ、少し古い言葉だと思うけどね。
そうだよな……
今頃萌えなんて……。
(ビクッ!!)
俺はそれだけで浮き足立つ。
心も体も堅くなる。
得体の知れない何かが。
宇都宮まことの手から俺の太ももに入った気がした。
それが俺の身体中を蠢きながら、恋しい気持ちを植え付けていく。
(恋の始まりってこんなもんなのかな?)
自分がどんどん抑えられなくなっていく。
(ヤバい! ヤバ過ぎる! 落ち着け、落ち着け)
それでもまだ俺は臆病だった。
(えっー!? 今のは何だ!? 何故……
宇都宮まことが……。俺を……俺の太ももを触った!? バーチャルだろ? そんなことって……有り得るはずがない!?)
俺は重大なことを見過ごしていた。
これがバーチャルゲームだったと言うことを。
其所には存在しない相手を感じれる訳がないのだ。
俺は深呼吸をして、ゲームに集中しようと画面を見つめた。
宇都宮まことから目が離せない。
次の作戦は?
今度は何処に連れてってくれるのか?
何を仕掛けてくるのか?
期待感だけてアップアップしそうだ。
俺は興奮状態の、頭を振りながら画面を追った。
(何やってんだ俺。本気で恋愛する気か!?)
俺はまだ消極的な自分に気付いて、突っ走ることをためらってもいた。
恋なんて出来ないと思っていた。
きっと俺は母を愛するために生まれ来たのだろう。
そんな風にずっと思っていた……。
それ程俺は、母の傍に居ることを望んでいた。
俺は……
母が大好きだったんだ。
小さい時から無理やり心を押さえつけてきた。
その反動からなのか?
だから尚更俺だけを愛してほしかった。
何処にも行ってほしくなかった。
そんなマザコン男が、バーチャルラブに夢中になるなんて……
俺は複雑な心を抱きながら、宇都宮まこと待ちわびていた。
少しだけ《萌》が解ったような気がした。
ゲームのキャラクターの格好をした女性に夢中になったクラスメート。
アイドルにまはまる友人。
みんな口々に《萌》と唱える。
きっと俺もみんなと同じように萌ているのだろう。
そう宇都宮まことに。
まあ、少し古い言葉だと思うけどね。
そうだよな……
今頃萌えなんて……。