受胎告知Fake of fate【アンビエンス エフェクト第二のマリア】
宇都宮まことのこととなると冷静で居られなくなる。
俺はそれほどまでに宇都宮まことの魅力に堕ちていたのだ。
「さっきから言ってるだろ!! その手で触るな」
俺はいきり立った。
「彼女がニューハーフかも知れないと思っていた。でも気付いたんだ。あのリアルな男性の声はお前だと。それに、俺が童貞だと話したのはお前だけだ。違うか? 眞樹」
俺は屋上から堕ちる瞬間に、宇都宮まことが本当は女の子だと確信することが出来たのだった。
目を綴じると浮かび上がる宇都宮まことのボディ。
この掌にまだその感覚はのこっていた。
その時、俺の母親が病室に入って来た。
誰かが連絡してくれたのだろうか?
(一体誰だろう? こんなカッコ悪いトコ見せたくないけど……でも嬉しい……)
俺の脳裏に、今朝の出来事がよぎる。
施錠された母の部屋を羨ましく見ていた自分を思い出した。
「あらっ坊ちゃま。お見えになられていらしたんですか?」
でも母は思いがけないことを言う。
(えっ!? 何故だ!? 何故母は眞樹を知ってる?)
「驚いたか? この人はお前の母親なんかじゃない。俺の崇拝者。そして俺達の代理母だ」
眞樹は俺に向かって、勝ち誇ったように言った。
でも母は困惑しているようだった。
思わず口から突いて出た、坊ちゃま。
これが何を意味しているのか。
出来の悪い俺の頭でも解った。
母の仕事先が望月眞樹の家だったってことだ。
でもそれだけの関係だけでもなさそうだった。
「俺達は……親父の実験材料だった」
眞樹は一瞬声を詰まらせたが、次第に俺達の全ての関わりを包み隠さず話し出した。
相当の覚悟がいることなのだと思い、俺は自然に身構えた。
父は天才科学者として有名な氷室博士(ひむろひろし)教授。
母は天才芸術家の小松成実(こまつなみ)。
名前位なら知っている。
でもそんな有名人が本当の両親だと聞かされても、俄かには信じられない。
俺はゆっくり眞樹に目をやった。
眞樹は真っ直ぐに俺だけを見ていた。
それだけで、眞樹の言っている事が真実なのだと悟った。
(俺達、と言う事は……俺と眞樹の事か?)
俺はそれほどまでに宇都宮まことの魅力に堕ちていたのだ。
「さっきから言ってるだろ!! その手で触るな」
俺はいきり立った。
「彼女がニューハーフかも知れないと思っていた。でも気付いたんだ。あのリアルな男性の声はお前だと。それに、俺が童貞だと話したのはお前だけだ。違うか? 眞樹」
俺は屋上から堕ちる瞬間に、宇都宮まことが本当は女の子だと確信することが出来たのだった。
目を綴じると浮かび上がる宇都宮まことのボディ。
この掌にまだその感覚はのこっていた。
その時、俺の母親が病室に入って来た。
誰かが連絡してくれたのだろうか?
(一体誰だろう? こんなカッコ悪いトコ見せたくないけど……でも嬉しい……)
俺の脳裏に、今朝の出来事がよぎる。
施錠された母の部屋を羨ましく見ていた自分を思い出した。
「あらっ坊ちゃま。お見えになられていらしたんですか?」
でも母は思いがけないことを言う。
(えっ!? 何故だ!? 何故母は眞樹を知ってる?)
「驚いたか? この人はお前の母親なんかじゃない。俺の崇拝者。そして俺達の代理母だ」
眞樹は俺に向かって、勝ち誇ったように言った。
でも母は困惑しているようだった。
思わず口から突いて出た、坊ちゃま。
これが何を意味しているのか。
出来の悪い俺の頭でも解った。
母の仕事先が望月眞樹の家だったってことだ。
でもそれだけの関係だけでもなさそうだった。
「俺達は……親父の実験材料だった」
眞樹は一瞬声を詰まらせたが、次第に俺達の全ての関わりを包み隠さず話し出した。
相当の覚悟がいることなのだと思い、俺は自然に身構えた。
父は天才科学者として有名な氷室博士(ひむろひろし)教授。
母は天才芸術家の小松成実(こまつなみ)。
名前位なら知っている。
でもそんな有名人が本当の両親だと聞かされても、俄かには信じられない。
俺はゆっくり眞樹に目をやった。
眞樹は真っ直ぐに俺だけを見ていた。
それだけで、眞樹の言っている事が真実なのだと悟った。
(俺達、と言う事は……俺と眞樹の事か?)