受胎告知Fake of fate【アンビエンス エフェクト第二のマリア】
病院の許可を貰って、二人で散歩に出掛けた。
リハビリをこなし、やっと歩けるようになったまことを俺は精一杯支えた。
俺も痛めた手が回復した訳ではない。
まだ指の先が曲がらないのだ。
でもそれは、まことがカバーしてくれた。
まことは俺の手をしっかり握って、俺の負担にならないようにしてくれている。
そんなに頼り無いのかとも思う。
でも嬉しかった。
まことの身体機能が少しずつ回復に向かっている事実が。
だから無理をしてでも二人だけで外出してみたかったんだ。
初めて歩く街だった。
この道が何処へ続くかなんて知るよしもなかった。
それでも、それだから余計に離れくなかった。
繋いだ手を放したくなかった。
看護師には予め地図描いてを貰ってはいた。
でもまことには内緒にしていた。
サプライズにしたかったのだ。
疲れたら休めるような公園も聞いていた。
でも其処はベンチが余りキレイじゃないらしい。
それでも構わないと思っていた。
まことと二人で座れるなら、その場所が天国になると信じていたから。
俺は用意していたハンカチをベンチに敷いた。
紳士的なんて格好いいもんじゃない。
指先が曲がらないから、袋から取り出すことにも苦労する。
俺は少しイラついついていた。
それは出掛ける前に購買部で買った物だった
「勿体無いよ」
まことはそう言いながらも、俺の行為を受けてくれた。
手をそっと添えて、手助けをしてくれたのだった。
「ねぇ、喬知ってる? 奈津美に聞いたことなんだけど」
「奈津美って、眞樹の相手だった赤坂奈津美?」
「そう、その赤坂奈津美。あのね……」
そう言い出して、まことは急に黙ってしまった。
俺が心配しながら顔を覗くと、頬が真っ赤に染まっていた。
「あのね」
やっと一言出た。
俺は安心したようにそっと視線を外した。
「奈津美が言っていたの。デートの時にベンチに敷いたハンカチに座るって言うことは、その人の全てを受け入れるってことなんだって」
(あ、何てことを……ん!? って言うことは……つまり俺とキス!? それとも……)
「えっー!?」
俺は自分自身の考えにビックリして、突拍子のない声を上げていた。
まことはもっと真っ赤になって、そっと頷いた。
リハビリをこなし、やっと歩けるようになったまことを俺は精一杯支えた。
俺も痛めた手が回復した訳ではない。
まだ指の先が曲がらないのだ。
でもそれは、まことがカバーしてくれた。
まことは俺の手をしっかり握って、俺の負担にならないようにしてくれている。
そんなに頼り無いのかとも思う。
でも嬉しかった。
まことの身体機能が少しずつ回復に向かっている事実が。
だから無理をしてでも二人だけで外出してみたかったんだ。
初めて歩く街だった。
この道が何処へ続くかなんて知るよしもなかった。
それでも、それだから余計に離れくなかった。
繋いだ手を放したくなかった。
看護師には予め地図描いてを貰ってはいた。
でもまことには内緒にしていた。
サプライズにしたかったのだ。
疲れたら休めるような公園も聞いていた。
でも其処はベンチが余りキレイじゃないらしい。
それでも構わないと思っていた。
まことと二人で座れるなら、その場所が天国になると信じていたから。
俺は用意していたハンカチをベンチに敷いた。
紳士的なんて格好いいもんじゃない。
指先が曲がらないから、袋から取り出すことにも苦労する。
俺は少しイラついついていた。
それは出掛ける前に購買部で買った物だった
「勿体無いよ」
まことはそう言いながらも、俺の行為を受けてくれた。
手をそっと添えて、手助けをしてくれたのだった。
「ねぇ、喬知ってる? 奈津美に聞いたことなんだけど」
「奈津美って、眞樹の相手だった赤坂奈津美?」
「そう、その赤坂奈津美。あのね……」
そう言い出して、まことは急に黙ってしまった。
俺が心配しながら顔を覗くと、頬が真っ赤に染まっていた。
「あのね」
やっと一言出た。
俺は安心したようにそっと視線を外した。
「奈津美が言っていたの。デートの時にベンチに敷いたハンカチに座るって言うことは、その人の全てを受け入れるってことなんだって」
(あ、何てことを……ん!? って言うことは……つまり俺とキス!? それとも……)
「えっー!?」
俺は自分自身の考えにビックリして、突拍子のない声を上げていた。
まことはもっと真っ赤になって、そっと頷いた。