-楽園-ここが私の変わる場所
私はすっと目をそらし、また歩き始める。
すると、「α」という数字が目にはいった。

地図を見ると、「α」という部屋が五部屋、「β」と書いてある部屋が10部屋、「S」と書いてある部屋が一部屋ある。
おそらく、「α」「β」「S」の順にレベルが上がっているのだろう。
頭が決してよくない私たちは、とりあえずいちばん近い「α」の部屋に入った。

しかし、その部屋は・・・

「こんちゃーー!」
すでに部屋の中にいた何人かが、私たちに挨拶してくれる。
私は少したじろいだが、リリアは
「こんちゃっ」
と大きな声で返事をした。
私も一応、「こっこんにちは・・・」とあいさつしかえす。

いったいなんなんだ、この部屋は。
勉強部屋?いや、まるで遊び場だ。

勉強をするための参考書や資料、パソコンなどは部屋にたくさんある。
机や椅子もまるでリアル世界の学校の様にきちんと並べられている。
とりあえず、この部屋に関しては何の問題もない。
問題は・・・この部屋にいる人間だ。

パソコンを使って違うチャットの人と喧嘩をしているのか「死ねばいいんですかねぇー!」なんて声の速さと打つ速さが同じくらいの変人もいれば、部屋の隅でバトミントンをしている人だっている。
やっぱりリアル世界で何かしら問題があった人の集まりなのだから、少し変わったところがあるのだろう。

「リリア、違う部屋行ってみよ?」
「いいよぉー!!」

部屋を出る際、一応あいさつしといたほうがいいのかな?
そう思った私は、「さようならー・・・」といって部屋を出ようとしたが、
「ちがぁう!さよならじゃなくて、ノシでしょー!!?」
っていう声が背後から聞こえてきたので、私は黙って扉を閉じた。

しかし、やはり変なのはあの部屋だけではなく、「α」の部屋すべてが変人の集まりだった。
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