ホントのお前が好きなんだッ!
「ふぅ…」
学校へ行く準備が一段落つき、玄関に靴を履きに行く。
「お姉!」
ドタドタドタドタ。
「こら真子!もう中学生なんだから、少しは女の子らしくしなさい!」
足をバタつかせながら私の元に走って来た妹を叱る。
「は〜い。でもあれ?もう行くの?髪も整えないで…」
真子が不思議そうに首をかしげる。
「まーね。でもちゃんと真子は自分で髪をセットしなさいよ、もう中一なんだから。」
この前まで自分のものだった制服を着ている妹に、昨日も言った言葉を繰り返す。
「わかってるって。…行ってらっしゃい!」
「行ってきまーす」
そんな妹に見送られながら、私は玄関を出た。