ホントのお前が好きなんだッ!
ガチャッ。
内田さん家のドアが開き、そこからあいつ…内田誠が顔を出した。
内田誠(うちだまこと)。
私の幼なじみ。
お隣に住んでる、内田さんちの次男。
成績優秀、スポーツ万能、顔良し、背丈良し(185cm)、性格良し。
「悪りぃ、待ったか?」
そして、時間ぴったり。
…いつも思うけど、なんなんだろう。
この、私との差は…。
「………………はぁ。どーせ地味ですよーだ!」
「は?いきなりなんだよ…」
「なんでもない!よっしゃいくぞー!」
「はぁ?意味わかんね…」
そう言って、学校までチャリを飛ばす。
私たちは、学校まで自転車で行くんだ。
「うー〜……寒くない?」
信号待ちしていると、風が吹き抜けていった。
「ん?そうか?俺は全然だけど。」
誠が首をかしげる。
「無理すんなよ?お前、ただでさえそんなに体強くないんだから。」
「うん…わかってる…」
信号が青に変わり、再び自転車をこぎ始める。
私は体が弱い。
月に一度以上は高熱をだしてしまう。
今ではひどくなくなったが、自分でも気をつけなければならない。
こんなことだから、自分でも熱が出そうな時が分かるようになった。
なのに…___
___…なんでこの時はわからなかったんだろう…。