ホントのお前が好きなんだッ!
新しいクラス【馨side】
教室に入ると、そこには既に何人か席に座っている人がいた。
黒板に貼られている座席表を二人で見る。
「うわっ、おれ左側…つーか窓側の一番前じゃ〜ん…」
誠は出席番号一番。それに比べて私は…。
「あ、香織、廊下側の三番目じゃん。…だいぶ離れたな…」
でもまぁ…私は誠と離れてよかったんだけど…。
地味子が演じやすくなるから…。
「香織、弁当一緒に食べようぜ」
「…うん」
でも…。
「…誠、この前言ったことは覚えててよ?」
「…あ、悪り悪り!そうだったな、気をつけるわ」
そして誠は「じゃ、また後でな」と言って自分の席へと向かっていった。
…絶対忘れたな…。
私も自分の席へ向かった。