ほんとの笑顔が見たかったんだ
遊園地で
8月23日…。

夏休みも残すところ後8日になった。

ママと一緒に玄関を出ると、真っ青な空に大きな入道雲が。

夏の終盤をまるで感じさせないような天気だ。

私の家の前には、白いワンボックスの車が止まってある。

ソラの家の車だ。

「ほんとに、樹菜まで連れて行ってもらっていいのかしら?」

ソワソワする私の隣で、ママが気をつかいながら言う。

「いいよいいよ!女の子いた方が楓ちゃんだって喜ぶしさ!」

気をつかうママとは裏腹に、そう言って笑うのはソラのパパ…拓海さんだ。
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