ほんとの笑顔が見たかったんだ


学校から車で二時間程走った場所にあるとあるホテル。

その目の前には青い海が広がっている。

旅行で来たら楽しいんだけど、今回は旅行じゃないんだよね。

…あー、お布団で寝たいよー。

ホテルにある、クーラーの効いた広めの会議室。

周りのみんなは必死に授業を聞いていると言うのに、私はそんな事を考えていた。

集中力は、とっくに切れている。

勉強合宿、初日目。

早くも疲れた。

このままじゃ間違いなく寝てしまう。

眠気覚ましに、こっそりと携帯電話を見た。

…ソラ…なんだろ…。

トークモードに、ソラからメッセージが届いていた。

トークモードとは、チャットのようにメッセージのやり取りが出来るアプリケーションのこと。

友達登録さえすれば、誰とでもやり取りが出来る。

【龍星にじゅなのID教えても良い?友達登録したいらしいわ】

なんだ、そういう事か。

そんなのもちろん…。

【いいよー♪IDは*********だよ~】

そう返事をすると、携帯電話をしまった。

龍星君とのトークモード、楽しみだな。

もう少しで昼休みだ。

授業、頑張りますか。
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