ほんとの笑顔が見たかったんだ
【合宿お疲れー!居眠りなんかしてないよね?笑】

【ありがとう^^♪ほんと疲れるよ…居眠りは今のトコしてないよー!でも、一時めちゃくちゃ眠くなった時はあった!】

【そっかそっか!んじゃ、眠くなった時はいつでも俺に言って!ソラの変顔写真送るわ笑】

【それは間違いなく眠気飛びそうだね・∀・!笑】

【でも俺、ソラの変顔見た事ないんだよね´Д`】

【私もないよー!´∀`笑】

昼休み、ホテルの客室のベッドで寝転びながら、龍星君とのトークモードに夢中になっていた。

「ソラが変顔なんかやるわけないじゃん!」

独り言を言いながら笑っていると…

「じゅなー。何一人でニヤニヤしてんのー?」

同じ部屋のルリカが急に話しかけてきた。

携帯電話越しに、じっと私の顔を見つめている。

「ニヤニヤなんかしてないよ!」

私は驚いて、慌ててベッドから起き上がった。

ルリカ、いつの間に部屋に戻って来てたの!?

“先生に勉強の事で聞きたい事があるから行って来るねー”とか言って、部屋から出て行ったもんだから、私、くつろぎまくってたよ…。

「いーや!間違いなくニヤニヤしてたよ!」

そう言いながら、ルリカは私に詰め寄ってくる。

私は、携帯電話を自分の胸にギュッと押さえつけた。

龍星君とのトークモードの会話を見られたりしたら…なんとなくだけど恥ずかしいもん!

そんな私の様子を見て、ルリカは言った。

「そっかなるほど…。男でしょ!それも、あんたがたまに話す幼なじみ君以外のね!」

ど、どうして分かっちゃうのー!?

「そんなわけないでしょ!もうルリカったら何言ってんだか…」

とにかく、動揺しているのが分からないように、目をそらし、無理矢理笑顔を作ってみる。

でも、ルリカはほんとに勘の鋭い子でして…。

「じゅな、あんたほんとに分かりやすいわねー!顔、赤いよ?」

勝ち誇ったかのように笑うルリカ。

私の負けだね。

「もう、ルリカってほんと何者ー?超能力者なの?」

「なわけないじゃん!もう一度言うけど、じゅなはほんとに分かりやすいのよ!で、その男、どこの誰なの?聞かせなさいよ!」

こうして、この後、ルリカの質問攻めにあう私なのでした…。
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