ほんとの笑顔が見たかったんだ
「分かった。帰る直前なのに来てくれてありがとう!また…もし次会えたら、3人でまた遊ぼ?」

お互いしんみりしてしまって、龍星君はずっと暗い表情だから、私はそれを追い払うかのように、涙を拭いて頑張って明るく言った。

結果はダメだったけど、最後位は笑顔でいなきゃ。

「ううん。こっちこそありがとう。うん!また遊びに来るね!」

お互い、ベンチから立ち上がる。

「じゃ、またね!」

そして、昨日と同様に手を触り合って別れた。

お互い別々の方向へと歩き始めた。

私は振り返らず、再び涙をポロポロ流しながら歩いた。

こうして私の高校生最初の夏休みと、私の初恋は終わりを迎えた。
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