ほんとの笑顔が見たかったんだ
6月30日

その日は昼間はとても晴れていたけど、下校時間になると土砂降りの雨が降り出してきた。

「やっば…俺傘持ってきてないし…」

廊下を歩きながら、窓の外を見て、俺はため息をついた。

「ほんと龍星ってバカだよなー!」

一緒に歩いていた友達が言う。

「ほんと、マジで俺バカだ」

「しゃーないな!男同士で一つの傘を二人で使うのとかちょっと恥ずかしいけど、俺の傘に入れてやるよ!」

「ありがとう。助かる!」

そう会話し、俺らは靴を履き替え、学校を出た。
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