ほんとの笑顔が見たかったんだ
通夜、告別式…そして…火葬場でのお別れまでバタバタと過ぎていった。

俺はずっとずっと…後悔ばかりで泣き続けていた。



“りゅうせい、カサ忘れてる!雨すごくなってきたしちょっと学校行って届けてくるね!”

大雨が降ったあの日、お父さんは仕事に行っていて、お母さんは家にいたけど少しの間、ハルを置いて買い物に出かけていたみたいで、帰って来ると、ハルが残したメモがリビングに置いてあったらしい。

まだ体調は万全じゃなかったのに、いつも俺の事を気にかけてくれていたハルは、俺に傘を届けようとしてくれたんだ…。

雨でタイヤを滑らせて突っ込んできたバイクとぶつかったと聞かされた。
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