ほんとの笑顔が見たかったんだ
前に進め
「…痛てぇ…な」

意識が戻り、目を覚ますとそう呟いた。

目を開けるともう家中真っ暗だった。

ゆっくり立ち上がる。

まだ身体はズキズキ痛む。

痛みを堪えながら洗面台の方に向かい、鏡を見た。

金色の髪から覗く目は腫れていて内出血で色が変色している。

口元も噛んで切ってしまった時の血のあとが残っている。

また派手にやられちゃったな…。

「だっせ…」

たまらなく情けなくなって、鏡にうつる自分から目を反らした。

シャワーを浴び、髪も乾かさずに眠りについた。

こうして、俺の高校一年の夏休みは終わったんだ。
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