ほんとの笑顔が見たかったんだ




夏休みが終わって初めての休日。

私はあの日の公園に向かっていた。

夜の外は涼し気で心地よい。

龍星君に会うのは緊張する。

でも、龍星君が行ってしまう前に思い出を作りたい。

そもそも私は龍星君に心から笑って欲しいって最初から願ってたんだもんね。

だから私も、笑顔でいよう。


公園に着くと、ソラとそして、龍星君がベンチに座って待っていた。

「ごめん、遅くなって!」

私は小走りで駆け寄ると、二人は揃って私の方を見た。

「良いよ。俺らも今着いたとこだし」

そう言うと、ソラはベンチから立ち上がった。

そして

「じゅなちゃん…また会えて良かった!」

龍星君は座ったまま、ホッとしたような表情で行ってくれた。

「ありがとう。私もだよ」

それに対して、私もそう返した。

龍星君の笑った顔を見ると、やっぱ今でも“好き”って思っちゃう。

恋した事…これはきっと忘れる事ないんだろうな…。

叶わなかったけど、やっぱり当分は私、龍星君の事好きなままなんだろうね。

「私も、持って来たよ!後、ジュースもね!」

私は持っていたビニール袋からコンビニで買った花火とジュースを取り出し、ニッと笑って二人に見せた。

こうして、私達は、前のように…だけど前とは違う気持ちで、夏休みで遊んだように花火を楽しんだ。
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