ほんとの笑顔が見たかったんだ

色んな話をしながら過ごす時間。

貴重な時間。

大切にしなきゃ。

「じゃ、最後はこれだね！はい、ソラとじゅなちゃんも！」

龍星君はそう言うと、私とソラに1本ずつ線香花火を渡した。

パチパチと小さな音を立てながら優しい色を放つ自分の線香花火を見つめる私達。

全員釘付けになったように何も言わずただそれが地面に落ちるまで見つめた。

そして、三つの光が地面へと消えていった。

「あ、終わっちゃった…」

暗くなったと同時に、龍星君は地面を見つめてつぶやいた。

すると、今度は顔を上げ、

「花火、楽しかったね！」

私とソラに優しく微笑んだ。

私たちは笑顔でうなずいた。