ほんとの笑顔が見たかったんだ
「はい!頂きます!」

「りゅう君!そろそろママにもタメ口で話してよー!」

「あ…はい…」

「"はい"じゃなくて、"うん"でしょ!」

「う…うん」

「良くできました!」

オカンは、龍星の頭をガシガシと撫でた。

ったく…相手は小さい子どもじゃねぇんだぞ…。

でも、龍星…別に嫌そうじゃねぇし良いのかな。

「オカン、あんま龍星に変な事すんじゃねぇよ」

俺はそうオカンに言って、風呂場に向かった。



近々、龍星とじゅなと三人で、花火でもしようかな。

そんな事で、龍星の抱えているものを軽くしてやれる事は難しいかも知れないけど…あいつが一瞬でもいいから、心から笑ってくれたらいいな。

なんて、柄にもない事を思った。
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