ほんとの笑顔が見たかったんだ
片付けを済ませ、ソラの家に行く事になった。

長らく行っていなかったからちょっと緊張する。

だけど、そんな緊張はすぐに消えた。

「じゅなちゃん!わー!久しぶり~!」

玄関のドアを開けてすぐに、ソラのママ…楓さんが私に抱きついてきた。

「楓さん久しぶり!」

「じゅなちゃん、相変わらずかわいいね!」

「楓さんには負けるよ!」

「またまた~!」

楓さんは顔を赤くした。

だけどほんとに、楓さんはお世辞抜きでとても美人。

スタイルも良いし…それに、性格も明るい。

久々に会って、楓さんの魅力を再確認した。

「何赤くなってんだよ」

照れる楓さんにソラはクールに言うけれど、ソラだって照れ屋じゃん!

ソラの照れ屋な所は間違いなく楓さん譲りだよ。

「俺の部屋、行っといて。俺、なんか飲みもん持って行くし」

ソラは先に家に上がって、台所の方へ行った。

「ありがとう!龍星君、行こ!」

私は後ろにいた龍星君に言う。

だけど、龍星君は

「あー…俺ちょっと公園行ってくるわ!」

そう言って、今来た道を引き返した。

煙草…だね。

「じゅなちゃん、ゆっくりして行ってね!なんなら泊まって行っても良いよ!空、喜ぶよ~!」

一人でソラの部屋に向かおうとした時、楓さんは言ってくれた。

その直後、台所から

「オカン!!変な事言ってんじゃねぇよ!!」

と、ソラは大声で言った。

楓さんとソラの関係も相変わらずだ。

楓さん、ソラの事をからかうの、好きだもんね。
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