ほんとの笑顔が見たかったんだ
改札を抜けようとした時だ。
背後からギュッと手首を捕まれた。
「え?」
驚いて振り返ると、
「じゅなちゃん…」
龍星君が、息を切らして立っていた。
彼の筋ばった手が、私の手首をしっかりと握っている。
突然の事だからか、私の心臓がドクンと大きく動いた気がした。
「り、龍星君…ど、どうして?!」
「その前に自分の足見て」
いつも笑っている龍星君は、珍しく真面目に言った。
私は、言われた通りに自分の足を見ると、両膝には大きい擦り傷が出来ていた。
傷の間からは血が滲み出ている。
「あ…ありゃりゃー!どーしよー!」
なんて言って、とりあえず私はふざけて笑ってみる。
「ちょっとそこ座ってて。勝手にどっか行かないでね?」
まるで小さい子に言い聞かせるように言う龍星君。
「あ…う、うん…」
戸惑いながら、私は券売機の近くのベンチに座った。
「すぐ戻るから」
駅の横にあるコンビニに向かう彼の後ろ姿。
それを見ると、さっきの手を思い出した。
また、心臓がドクンと鳴る。
気温のせいなのか、走ったからなのか、分からないけど、体がめちゃくちゃ熱い。
どうしたの…私…。
背後からギュッと手首を捕まれた。
「え?」
驚いて振り返ると、
「じゅなちゃん…」
龍星君が、息を切らして立っていた。
彼の筋ばった手が、私の手首をしっかりと握っている。
突然の事だからか、私の心臓がドクンと大きく動いた気がした。
「り、龍星君…ど、どうして?!」
「その前に自分の足見て」
いつも笑っている龍星君は、珍しく真面目に言った。
私は、言われた通りに自分の足を見ると、両膝には大きい擦り傷が出来ていた。
傷の間からは血が滲み出ている。
「あ…ありゃりゃー!どーしよー!」
なんて言って、とりあえず私はふざけて笑ってみる。
「ちょっとそこ座ってて。勝手にどっか行かないでね?」
まるで小さい子に言い聞かせるように言う龍星君。
「あ…う、うん…」
戸惑いながら、私は券売機の近くのベンチに座った。
「すぐ戻るから」
駅の横にあるコンビニに向かう彼の後ろ姿。
それを見ると、さっきの手を思い出した。
また、心臓がドクンと鳴る。
気温のせいなのか、走ったからなのか、分からないけど、体がめちゃくちゃ熱い。
どうしたの…私…。