ほんとの笑顔が見たかったんだ
ソワソワしながら待っていると、コンビニから龍星君が戻ってきた。

そして、私の正面に座った。

「あー…派手にやっちゃったね…」

そう言うと、コンビニで買ってきたバンソウコウの箱を開けた。

金色の髪から覗く少しつり上がった目。

だけどその目は優しい目に見える。

顔の怪我はまだ痛々しい。

早く治るといいのに…。

って私、何見とれてるの…。

「あ、でも消毒しないとね…」

箱を開けてから、ハッとし、龍星君は頭をかかえた。

「だ、大丈夫だよ!うん!これ位平気!」

見とれていた自分を頭の中ではね除けた。

「じゅなちゃん、今日学校行くの?」

「うん…そうなの。でも、もう遅刻だけどね…」

「そっか…。どっちにしろ、その怪我じゃ今日は学校、無理だと思う。ソラん家で手当てしよ」

優しく彼は言った。

そして、自然に彼は私の手を持った。

彼の手と繋がれた自分の手。

また、動悸のような感覚におそわれた。

「うん…」

心臓がドキドキする。

この感覚…いったい何?
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