ほんとの笑顔が見たかったんだ
無事にソラの家に着いた。

二日続けてソラの家に上がらせてもらうなんて思ってもいなかったよ…。

玄関で靴を脱ぐと、龍星君は

「薬箱、どこにあるのか分かんないからソラに聞いてくる。リビングのソファに座って待ってて!」

そう言って、ソラの部屋に向かった。


「おじゃまします…」

キョロキョロしながらリビングに入った。

どうやら楓さんは出掛けているみたい。

ソラの家のリビング…久しぶりだな…。


ゆっくりソファに座った。

傷の部分を見ると、徐々に血が固まってきている。

これ、絶対お風呂に入ったらしみるよね…。

想像しただけで、ゾッとする。

「じゅなちゃん!薬箱貸してもらったよ!」

傷を見て怖がっていると、龍星君が片手に薬箱を持ってリビングに来た。

後ろには、眠そうな顔をしているソラがいる。

ソラ…まだ寝てたんだ…。

「じゅな、大丈夫か?」

目をこすりながら、ソラは言った。

「うん!大丈夫!それより、急にごめんね?」

「いやいや、別に謝んなくてもいいし…」

相当眠いのか、大きなあくびをしているソラ。

「ソラ、寝てて良いよ?」

「…ん。いや、起きとく…」

私の向かい側のソファに座ったものの、ソラの目、完全に閉じてるし…。

「ソラ!寝とけって!じゅなちゃんの傷の手当ては俺にまかせろって!」

龍星君にそう言われたソラは、

「悪いな…。寝るわ…」

そう言い、そのままソファに横になった。

間もなくして、スースーと静かに寝息をたてた。
< 39 / 169 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop