ほんとの笑顔が見たかったんだ
じゅなは好きなヤツとかいんのかな…。

ま、いてもおかしくないよな。

俺らの高校と違って、じゅなの高校は男女共学の高校だし。

じゅなにとって俺は、ただの幼なじみだろうし。

それ以下でもそれ以上でもねぇよな…。

「ずっとこのままでいいのかよ…俺…」

大きく、タメ息をついた。

こんな事考えるのはやめよ…。

虚しくなるだけだ。


起き上がる気になれなくて、龍星が戻ってくるまで寝ようと目を閉じた。

すると、玄関のドアが開く音が聴こえた。

龍星、もう帰って来たのかよ…。

「ソラー、なに寝てんだよー。お前のそのすぐ寝るクセどうにかなんねぇの?」

部屋のドアを開けるなり、龍星はいじけるように言った。

「別にいいだろ。てか、戻ってくんのめっちゃ早くね?」

俺は龍星に言うとあくびをした。

龍星は、さっき座っていた場所に再び腰掛けた。

「うーん…なんか急に面倒くさくなっちゃって吸わずに戻ってきた」

急に面倒くさくなったって…なんかおかしくね?
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