ほんとの笑顔が見たかったんだ
「あ、もしかしてじゅなちゃん?」

「え…そうだけど…」

あれ?

絡まれるどころか、ヤンキーの表情がいっきに緩んだんですけど…。

でもなんで私の名前を…。

「ソラがたまに俺に話すんだよね!かわいい幼なじみがいるって。そっか!君がじゅなちゃんか!」

「かわいいとは言ってねぇ…」

笑顔で話すヤンキーに、またまた照れるソラ。

もしかして…。

「ソラの友達?」

私は顔を赤くして下を向くソラに聞いた。

「ああ。同じクラスの、龍星。」

…りゅうせい…君。

「そうなんだ…」

龍星君の顔を見ると、彼はまた笑顔で言った。

「今日から少しの間、ソラん家泊めてもらうんだ。よろしくね?じゅなちゃん」

龍星君は、スッと手のひらを差し出し、ちょっと緊張したけど、私はそれに自分の手のひらを乗せた。

軽く握手をした。

男の子の手は少しかたくて、それが私をドキドキさせた。

今日、私は不思議なヤンキー君に出会いました。
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