ほんとの笑顔が見たかったんだ
「はい?」
西條達は一斉に振り返った。
「謝罪して下さい」
表情を無にして、淡々と言うオカン。
「植原さん、あなた何を言って…」
「謝れって言ってんだろうが!!!!」
俺を含め、ここにいる全員が目と耳を疑った。
さっきまで西條達に敬語だったオカンが、別人のような口調で睨みをきかし、怒鳴ったからだ。
急に豹変したオカンに完全にビビって、西條達はその場から動けなくなっていた。
「何ボーッとしてんだよ!ドア閉めろ!」
「ちょっと…植原さん?」
「ドア閉めろって言ってんだよ!!聞こえねぇのか?!」
「は、はい!」
西條は、言われるがままに玄関のドアを閉めた。
「あんたら、調子乗りすぎだっつーの!!」
オカンは困惑する西條達に詰め寄る。
「ちょ、オカン、何やってんだよ…」
さすがにやばいんじゃねぇのかと思って、オカンを止めようとした。
でも、そんな俺にオカンは
「止めんじゃねぇーよ!あんたは黙って見てな!」
と、怒鳴る…。
完全にヤバイよな…。
でも今のオカンには逆らえねぇ…。
オカンの言う通りにしとくしかなさそうだ。
「あんたらさー、アタシの可愛い可愛い息子と息子の可愛い可愛い友達の事、バカにしてんじゃねーよ!」
一人一人を睨みながらオカンは怒鳴る。
「“最低な息子”だって?何言ってんだよ!!“最高の息子”だっつーの!世界で一番最高の息子だっつーの!」
なに言ってんだよマジで…。
てか何?誰か乗り移ってんの?
「りゅう君の事、不良とかなに勝手な事ほざいてんの?帰れって何?りゅう君めちゃめちゃ良い子だよ!超優しい子だよ!あんたらみたいに簡単に人傷つけるようなバカじゃねぇんだよ!!言っとくけど、アタシがりゅう君にこの家にいるように言ったんだからな!!」
「"こんな息子で大変"って?全然大変じゃねぇし!大変だって思った事なんて1回もないから!!空が息子でアタシ、超幸せだし!!それに、“感じ悪い”とか何言ってんの?!空はおとなしいだけだし!!どこからどう見たって空は超可愛いから!!」
「空さ、小さい頃から滅多に泣かないんだよね。でもさ、小学生の時、学校から泣きながら帰って来た時が1回だけあったの。理由聞いても言わないし、学校に聞いても分からなかった。でも今分かったよ!!あんたらに傷つけられたんだな!!大人のくせに、小さい子供いじめてんじゃねぇよ!!」
………それからも、オカンの説教は続いた。
俺と龍星は、何も口出さずに黙って見ていた。
最初は、マジでビビったけど…オカンに反抗していたさっきの自分が恥ずかしく思えた。
俺が思ってる以上に、オカンは俺の事考えてくれてたんだな…。
龍星を見ると、目が合った。
お互い顔を見合わせて、俺ら二人は小さく笑った……。
西條達は一斉に振り返った。
「謝罪して下さい」
表情を無にして、淡々と言うオカン。
「植原さん、あなた何を言って…」
「謝れって言ってんだろうが!!!!」
俺を含め、ここにいる全員が目と耳を疑った。
さっきまで西條達に敬語だったオカンが、別人のような口調で睨みをきかし、怒鳴ったからだ。
急に豹変したオカンに完全にビビって、西條達はその場から動けなくなっていた。
「何ボーッとしてんだよ!ドア閉めろ!」
「ちょっと…植原さん?」
「ドア閉めろって言ってんだよ!!聞こえねぇのか?!」
「は、はい!」
西條は、言われるがままに玄関のドアを閉めた。
「あんたら、調子乗りすぎだっつーの!!」
オカンは困惑する西條達に詰め寄る。
「ちょ、オカン、何やってんだよ…」
さすがにやばいんじゃねぇのかと思って、オカンを止めようとした。
でも、そんな俺にオカンは
「止めんじゃねぇーよ!あんたは黙って見てな!」
と、怒鳴る…。
完全にヤバイよな…。
でも今のオカンには逆らえねぇ…。
オカンの言う通りにしとくしかなさそうだ。
「あんたらさー、アタシの可愛い可愛い息子と息子の可愛い可愛い友達の事、バカにしてんじゃねーよ!」
一人一人を睨みながらオカンは怒鳴る。
「“最低な息子”だって?何言ってんだよ!!“最高の息子”だっつーの!世界で一番最高の息子だっつーの!」
なに言ってんだよマジで…。
てか何?誰か乗り移ってんの?
「りゅう君の事、不良とかなに勝手な事ほざいてんの?帰れって何?りゅう君めちゃめちゃ良い子だよ!超優しい子だよ!あんたらみたいに簡単に人傷つけるようなバカじゃねぇんだよ!!言っとくけど、アタシがりゅう君にこの家にいるように言ったんだからな!!」
「"こんな息子で大変"って?全然大変じゃねぇし!大変だって思った事なんて1回もないから!!空が息子でアタシ、超幸せだし!!それに、“感じ悪い”とか何言ってんの?!空はおとなしいだけだし!!どこからどう見たって空は超可愛いから!!」
「空さ、小さい頃から滅多に泣かないんだよね。でもさ、小学生の時、学校から泣きながら帰って来た時が1回だけあったの。理由聞いても言わないし、学校に聞いても分からなかった。でも今分かったよ!!あんたらに傷つけられたんだな!!大人のくせに、小さい子供いじめてんじゃねぇよ!!」
………それからも、オカンの説教は続いた。
俺と龍星は、何も口出さずに黙って見ていた。
最初は、マジでビビったけど…オカンに反抗していたさっきの自分が恥ずかしく思えた。
俺が思ってる以上に、オカンは俺の事考えてくれてたんだな…。
龍星を見ると、目が合った。
お互い顔を見合わせて、俺ら二人は小さく笑った……。