ほんとの笑顔が見たかったんだ
「俺が原因で、楓さんと空に頭下げさせて…俺…色んな人に迷惑かけすぎて…しんどい。なんでいつも俺ってこうなんだろ…」

疲れた様子で、龍星はタメ息をこぼした。

オカンが西條達にマジ切れしていた時、少し笑顔を見せた龍星だったけど、やっぱり俺が思った通り、龍星は自分を責めて責めて…追い込まれていた。

「りゅう君?そんなに自分を責めちゃダメよ?」

「でも…」

まだ俯く龍星に、オカンは優しく微笑んだ。

「りゅう君…。ママね、りゅう君と空の事、大好きなの。二人の事が大好きだし大切だから西條さん達に頭下げた事、後悔してないよ。だから顔上げて?」

龍星はしばらく黙っていたが、ゆっくり顔を上げた。

「ありがとう」

目に涙を浮かべながら、笑った。

ほんとは、心の中で色々考えていると思う。

葛藤してると思う。

でも、龍星は笑った。
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