ほんとの笑顔が見たかったんだ
思い出の写真
今日は8月13日。

龍星君と最後に会ったのは3日だから、もう十日も会ってないのか…。

龍星君に電話をしたのが6日だし…。

龍星君に対する想いは募る一方だ…。

ママとはあれから、別に険悪な関係ではないんだけど…やっぱりどこかギクシャクしてる。

「宿題ね、後は読書感想文だけなんだー!」

「マジで!なんであんたそんなに頑張ってんの?」

「ちょっと色々あって、この一週間取り憑かれたように宿題してた!」

雨上がりの夕方、私はルリカと電話で話していた。

ルリカの声を聞くのも久しぶりだ…。

「じゅなー!龍星君とはどうなってんの?」

ルリカから電話がかかってきた時から、この話題がくるのは予想していた。

もう、ごまかさないで本当の事を話そう。

「龍星君とは、会ってないんだ…。連絡もとってないの」

口に出すと、虚しくなった。

勝手に、視界がぼやけてくる…。

「…なんで?どうして?」

心配そうに、ルリカは私に聞く。

あの日あった事を…私は全てルリカに話した…。





「そんな事があったんだ…」

電話のむこうで、ルリカは小さい声で言った。

「うん…」

涙をティッシュで拭きながらうなづいた。

涙も出るし鼻水も出るし、グチャグチャだ…。

「じゅな!」

そんな弱る私に、ルリカは強く言う。

「あんたね、龍星君の事好きなんでしょ?!だったら会いに行けばいいじゃん!なに泣いてんのよ!!」

確かにその通りだ。

でも…私はやっぱり、ママの事、嫌いになんてなれなくて…。

ママに反抗する事が出来ず、結局私は自分から龍星君に会いに行かなかった…。

「だって…ママが…」

「じゅな!!そんな事言ってたら絶対に後悔するよ!!あんたが証明してあげればいいんだよ!!"龍星君は、人を傷付けたりするひどい人じゃない"って!!」

「ルリカ…」

ルリカの言葉を聞いて、また涙がぶわっと溢れた。

ママに反抗するのはやっぱり勇気がいる。

でも…そうだよね…。

行動しないと、進まないもんね。

「じゅな頑張って!!」

「うん…ありがとう!!」

ルリカに後押しされ、私は決めた。

龍星君に…会いに行くって。
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