ほんとの笑顔が見たかったんだ
いくつもの露店が並び、多くの人が行き交う群青通り。
どこまでも続くちょうちんと露店が夜の通りを明るく照らしている。
「じゅな、なんか食べたいものある?」
私の少し前を歩くソラが、振り返る。
「りんごあめ、食べたい!」
私は即答した。
祭りと言えばりんごあめでしょ。
「そう言うと思った。じゅな、昔から祭りに来たらそればっか食ってたよな」
即答する私を見てソラは笑う。
いつの間にか、こうやってソラとお祭りに行かなくなったけど、小さい頃は一緒によく行ってたっけ。
「じゃ、りんごあめ買いに行くか」
ソラがそう言うと、私達はりんごあめのお店を探した。
私の隣を歩く龍星君の方を見る。
「りんごあめ、なかなか見つかんないね」
周りをキョロキョロ見ながら、りんごあめのお店を探してくれている。
なんか…付き合わさせちゃってる気がする…。
「なかったら違うものでもいいよ!」
意外に見つからなくて、私は二人に言う。
そんな私を見て、龍星君は優しく笑う。
「じゅなちゃんが食べたいもの食べようよ。今日、俺らに付き合ってくれたんだし俺らだって付き合うよ」
「ありがとう…」
龍星君が、そんな事言うから、またドキってしてしまう。
ますます好きになっていくよ…。