ほんとの笑顔が見たかったんだ
「ソラん家さ、禁煙なんだよ。だから毎日よくここに来るんだ」

「へぇ…」

「毎回毎回面倒くさいんだけど、やめられないんだよねー。これ」

龍星君は苦笑いを浮かべながら、私にチラッと煙草の箱を見せた。

私は正直、喫煙している人の気持ちは全く分からないから、

「そうなんだ」

しか、言えなかった。

もしかして…私達、話が合わないのかな?

少しだけ、沈黙になった。

どうしよ…。

流れる雲を見つめながら、必死に頭の中で話題を探した。
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