CINDERELLA STORY~貴方に巡り会えた奇跡~
凄い‥‥

そう思ってしまう位、思わず呆気に取られてしまった


【あの‥‥
 お話っと言うのは‥‥】


口を開いたキムさん

その言葉に我に返った私は、取りあえずソファーに腰掛けて彼女を見つめると、キムさんは話しにくそうに言葉を詰まらせている


【RURIさんは、パク・シフォンさんをご存じでしょうか?】

【パク・シフォン?
 ごめんさない
 多分、面識はないと思います】

【そうですか‥‥】


パク・シフォンと言う名を口に出したキムさん

しかし、私は面識すら記憶にない

その事を彼女に伝えるなり、落胆したように俯いてしまったキムさん

パク・シフォン‥‥

彼女が尋ねてくるって事は、音楽関係者や芸能関係者なのかな?

でも、私が韓国を来日するのは今回が初めてだ

もしかしたらアメリカにいる韓国人の人なのかもしれないが、私の周りには韓国人は誰も居ないし、同級生のだって韓国の人は記憶にない

ん~

やっぱり、いくら考えてもパク・シフォンって人を思い出せないな‥‥

そう思っていると、彼女は持っていた鞄の中から一枚の写真を私に見せたのだった

そこに写っているのは、カメラに笑顔を向けるキムさんの姿と見知らぬ男性の姿があった

今のキムさんに比べると2.3歳位若く見えるが、記載された日付は今年の4月になっている


【これ、私の娘なんです】

【はぁあ?
 む、娘さん?】


思い掛けない言葉に私は驚いてしまった

だって、目の前に居るキムさんは私よりは年上かなぁ~って思ってはいたけど、娘さんが居るような年齢には思えない

しかも写真に写っているのは20代位の女性だ


【失礼ですけど、キムさんってお幾つなんですか?】

【私は、今年で38歳になりました
 娘は16歳の時に出産して、22歳になります】


16歳で出産?

22歳の娘?

もう驚きの連発だ

しかも38歳なんて言われても、38歳って言うより28歳って言われた方が納得出来る若さだ

どんな魔法を使って、その美貌を保ってるのって聞きたくなってしまうくらい、本当に若く見える


【娘、ミヨンって言うんですが‥‥
 実はパク・シフォンと付き合っていたんです
 でも娘が妊娠していると知ると、格式が違うと別れ話をされてしまって捨てられてしまったんです】

【格式ですか‥‥】

【でも直接ミヨンがシフォンに言われたのではなく、代理人が現れて一方的に別れを告げられたそうなんです
 娘には私と同じ道を辿ってほしくなくて、それでRURIさんにお力をお借りしたいと‥‥】


娘には同じ道を辿って欲しくない

つまり、キムさんは格式が違うと言われ別れたって事だよね?

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