CINDERELLA STORY~貴方に巡り会えた奇跡~
彼氏に妊娠を告げ、慌ただしく決まった結婚

結婚式は挙げたい

でも、それは子供が産まれたらにしようと決めた

そして妊娠5ヵ月目‥‥

左の胸に違和感を感じ、妊娠特有なものかと思っていたが検査をした時に発覚したのは乳癌だった

余命1年

肝臓などに転移していると思われ、既に手遅れだと宣告された彼女

そんな彼女を絶望から救ってくれたのは、お腹に居る赤ちゃんの存在だったと言う

何があっても赤ちゃんは自分が守る

自分は治療しても治る可能性はないのだから、赤ちゃんだけは絶対に出産してみせると周囲を説得し、そして無事に女の子を出産

それから3ヶ月後、彼女は最後の手紙としてビデオレターを娘に残し旅立ったと言う実話を基づいた小説の内容だった

小説を読んでから3時間‥‥

時刻は午前4時になろうとしている

私は涙を拭い、ノートを取り出すとペンを走らせたのだった

ご主人がデザインしたドレスで式を挙げた彼女

産まれたばかりの赤ちゃんを抱いている彼女

そんな彼女の笑顔が小説の最後の頁に掲載されていて、その中でもRIRIのファンで、私の歌を聴くのが好きだって‥‥

RURIの歌で、沢山の勇気をもらったと書いてあった

この仕事、絶対に引き受けたい

菜摘が唄うにしても、私が唄うつもりで曲を作ろう

そう思って、私は彼女に捧げる歌を作る事にしたのだ


【RURI‥‥
 まさか寝てないの?】

【大丈夫!!
 それより、ピアノを弾きたいんだけど‥‥】


徹夜して歌詞を書いた私は、兎に角頭に浮かんでる音譜を形にしたくて急いでいた

そしたら桜井にホテルにピアノがあるって教えられ、私はホテルのスタッフにピアノを借りたいと許可をもらい、頭に浮かんだ音譜を奏でながら楽譜に書き始めたのだった


【素敵な曲ね‥‥】


そんなジェニファーの言葉に私が大満足と言った感じで笑顔を向けると、桜井がカメラのシャッターを切ったのだった


【良い顔してんじゃん!!】


徹夜明けの顔

しかもノーメイク

そんな写真を撮られても、今の私には怒りさえ感じなかった

それに周囲に居るスタッフは、涙を流している

自分でも、一夜にして作ったにしては最高の出来だと言える

そして、頼まれてないけど彼女が結婚式を挙げた場面で流がしてもらえたらと思って作った曲も奏でてみると、周囲のスタッフから歓喜の声が上がったのだった


【RURI‥‥
 あなたに、そんな才能があったなんて‥‥
 勿論、元々才能があるって分かっていたけど、これ程才能があるなんて‥‥】


誇らしげに言うジェニファーに、私は少し照れ笑いをして楽譜をジェニファーに渡した

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