CINDERELLA STORY~貴方に巡り会えた奇跡~
休憩の合間、漸く完成した歌詞を見たジェニファーが満足気に言うのを聞き、一先ず安心した

私の所属しているプロダクションの社長と結婚しているジェニファーは、いつも会社で社長と言い争いを繰り返し、そして勝つのは決まってジェニファーだった

元モデルだったジェニファーはスタイルも抜群

長いブロンドの髪に、ヒールをカツカツと鳴らして歩く姿は男なんて寄せ付ける隙すらない

しかも40歳を過ぎてるって言うのに、全く40代なんて感じさせない見た目とパワフルさ

社長だけでなく、どんな男にだって負けない強さをもっている女性で、同じ女性として尊敬出来るし、ジェニファーはカッコイイと断言出来る人だ

まぁ~

ちょっとスパルタだけどね‥‥


「It is next music,what that“I still love you”,after all does the image have better dusk than an early morning? 」

「Then is it a retake?」


PVを撮り終えた直後、ジェニファーが早朝より、I still love youって曲には夕暮れが良いと言いだし、私は撮り直しなのかと聞き返すと、思いっきり頷かれてしまったのだった

まぁ~

全ての決定権はジェニファーが持っている

しかも、彼女が言う通り早朝が合わないと言うなら合わないんだろう

ジェニファーは客観的な意見は勿論、あらゆる面で多彩な頭脳とセンスを持っている

だからこそ、私が世界の歌姫と絶賛されるようになったのだ

彼女が居なかったら、きっと今の私は存在していなかったと思うし、彼女が居たから私も大きく成長出来たのだと思う


【夕暮れの一発勝負よ!!
 時間がないから、一回で決めなさいね
 貴方はプロ
 それを忘れないでよ!!】

【分かった‥‥
 一発で決めたら、明日のサッカー観戦は自由にしても良い?】

【良いわよ~
 サッカー観戦どころか、その後も自由にして良いわよ!!】


やったー!!

私は、ジェニファーの言葉を聞くなり小さくガッツポーズをしてしまった

絶対に一発で決めてやる

そう意気込んだ私は、夕暮れを待つ間にI still love youと言う曲の歌詞に感情を高めながら、PV撮影に挑んだのだった

私はプロ

そして、この歌詞を書いたのは私だ

そう思いながら、周りの事など見えなくなるくらい夢中になって歌い上げると、約束通り一発OKが出たのだが、ジェニファーを含めたスタッフが、私の唄を聴き涙を流していたのだった

大絶賛するスタッフ

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