CINDERELLA STORY~貴方に巡り会えた奇跡~
全てがパーフェクト?

そう言った優希の言葉に、私は珍しいっと思ってしまった

私もだけど、優希も全くスポーツには興味がない人間だ

高校の時、菜摘や博子はスポーツ系の男子が好きで騒いでいたけど、私と優希はドラマの話とかが多く、あの俳優さんがカッコイイとか言っていた記憶がある

貴子はビジュアル系のバンドが好きで追っかけをし、愛美はアイドルに熱を上げていた

そう言えば、愛美と初めて口を聞いたのはアイドルグループのファンクラブに一緒に入らない?って言葉だったっけ‥‥

勿論、丁寧にお断りしたんだけど、初対面でファンクラブに入らないかと言ってきた愛美の第一印象はインパクトがあったなぁ~

そんな事を思い出してしまった私は、思わず笑ってしまったのだが、菜摘と優希は、いきなり笑った私を見て直ぐに突っ込みを入れて来た


「そんな事もあったよねぇ~
 私も、愛美と初めて会話したのがファンクラブに入らないだったもん!!
 そう言えば、未だにJクラブのMAXが好きらしくて、Jクラブのショップとかに通ってるって言ってた」

「マジ?
 そう言えば、理想はMAXの羽鳥君とか言ってたよねぁ~
 だから愛美は、いつまでたっても彼氏が出来ないんだよ~」


優希と菜摘の会話を聴きながら、内心‥‥

私も彼氏が出来ないんだけどって思ってしまった

疾風かぁ~

一応、私の初カレだったけど、あまりに短く終わってしまった恋だった

しかも、話を聞けば最悪な奴だったし‥‥

彼氏が居たと胸を張れるような恋なんてした事がない

勿論、入学してから疾風と仲が良くなって、いつしか友達から好きな人へと気持ちが変化していった

そして疾風からの告白

嬉しくって、その晩は朝方まで優希と話し込んだ記憶がある

手を繋ぐ

たったそれだけでもドキドキして、友達から彼氏になったとは言え、何だか凄く緊張して話すのも恥ずかしかったなぁ~

初めてのデート

TDLに行ったら別れるよってジンクスがあったけど、そんなの関係ないとTDLに行った

2度目のデートはお台場だった

でも3度目のデートは鎌倉だったのだが、そのデートが疾風との最後のデートになってしまった

親の転勤でアメリカに行く

そう疾風に告げたのは、私がアメリカに旅立つ一か月前の事だった

それから二人で過ごすと言うより、お別れだからと友達と過ごす時間が増えていき、最後に疾風と話したのは私のお別れ会の日

元気でな!!

必ず連絡する

そう言ってくれた疾風だったけど、その日から連絡が途絶えてしまったのだった

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