CINDERELLA STORY~貴方に巡り会えた奇跡~
考えてみたら、恋と呼ぶにはあまりにも幼すぎた恋だった

疾風とは、友達で居た方が楽しかった

彼氏と友達、どっちを優先するかって聞かれたら迷わず友達を優先にしていたし、くだらないお喋りだったけど友達と話してるの方が凄く楽しかった

でも、私が唯一彼氏と呼べる人は疾風しかいない

優希は高校の頃に先輩や同級生と付き合った事があると言っていたし、菜摘も先輩と2年くらい付き合っていたって言っていた

博子は高校の同級生と3年近く付き合ったけど、今は年上の社会人の彼氏が居ると言う

貴子も高校の頃に2人と付き合っていて、今は同じ年の彼氏がいるって言っていた

愛美は残念ながら振られてばかりで、現在も記録を更新中だとか‥‥


「そろそろ行く?」

「そうだね‥‥」


携帯の時計に目を向けた菜摘の言葉に対して、直ぐに返事をしたのは優希だった

私はボンヤリとしていたもんだから、慌てて立ち上がって二人の後ろを付いて行くと、優希が車で来てくれていたので、私は優希の愛車であるベンツに乗り込んだのだった

その車の中で、私は入念に日焼け止めのクリームを塗りながらサングラスを装着した


「瑠璃‥‥
 その日焼け止めクリーム貸してくれる?」

「良いよ♪」


助手席に座る菜摘にクリームを手渡し、私は流れゆく景色を眺めていた

人生初のサッカー観戦

サッカーのルールとかは知らないけど、サッカーを知らない訳ではない

中学の授業でサッカーをやった事もあるし、サッカー部が練習している姿を見た事もある

でも、プロのサッカー観戦は初めてだ


「ねぇ~
 2人のお気に入りの選手は、今日の試合に出場するの?」

「するよ~
 ヨッシーと同じチームだしね!!」


サッカーに詳しい菜摘の言葉に、へぇ~って頷きながら対談の時に渡された吉岡篤人さんのファイルを取り出すと、私はスタジアムに到着するまで真剣にファイルを読んでいたのだった

吉岡篤人

父親が中学の体育教師

母親は専業主婦だが、中学と高校時代はバレーボールをしていて、お姉さんもバレー部だったっと書かれている

その他には、高校2年の時に体育の教師になろうと思い始めていた頃、スカウトの話が出て、あの時プロになってればって後悔するくらいなら、プロとしてやってみようと決意し、彼は常に上手くなりたいって気持ちが強く、上を目指すチャレンジャー精神を持つ選手なのだと書いてあった

負けず嫌いなのかな?

そんな風に思っていると、横浜にあるスタジアムへと到着

まだスタジアムの外なのに、既にファンの熱気がハッキリと感じられた

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