CINDERELLA STORY~貴方に巡り会えた奇跡~
十分強いって‥‥

いやいや‥‥

この前は、気を張っていたから酔わなかっただけだ

私はお酒を飲む場合、自然とONとOFFのスイッチが軌道してしまい、仕事の付き合いで飲まざる得ない時は、どんだけお酒を進められてもONのスイッチが入ってるせいで、絶対に酔う事がない

しかし完全に気を許し、OFFのスイッチが入ってしまうとコップ一杯でも酔ってしまうのだ

嘘だぁ~っと言う2人に必死になって説明すると、やっと理解してくれたのか乾杯の時だけビールで乾杯し、後は烏龍茶を飲んでれば良いと言うお許しが出た


「すみませ~ん
 男連中が来たら、一先ず全員生でお願いします」

「全員だと、確か9人でしたよね?」

「あっ、そうです!!
 あと烏龍茶のボトルとグラスも少し用意しといて下さい」


菜摘は大きな声を上げながら、店員さんにテキパキと指示を出している

しかも、ちゃんと烏龍茶も忘れないでくれた♪

偉いじゃん菜摘ってば!!

ちょっと感心したように菜摘を見れば、急に優希が菜摘の腕をギュッと力強く掴み、しかも掴んだ手で菜摘を引っ張ったのだった

どうしたの?

あまりにも急な出来事に、私は固まってしまった


「いた‥‥
 痛いってば!!」

「ねぇ~、9人って言ったよね?
 私達が3人居るって事は、残りの6人が男って事だよね?
 どう言う事か説明してくれるわよねぇ~!!」


笑顔で言い放ちながら、普段は愛くるしい優希の大きな目は笑ってなくて、想像を越える怒りのオーラが、あまりにも怖かったもんで私は顔を背けてしまった

私の知ってる優希じゃない!!

うぅ~

優希が壊れたって思いながらも、菜摘と優希の間には、ど~~~しても入る勇気がない私だった


「だから痛いってば!!
 男が6人来るけど、何か問題でも?
 良いじゃない!!
 優希のお気に入りの万里也も来るし、瑠璃のお気に入りのヨッシーだって来るんだから!!
 あとは雑誌の付録と思ってれば良いでしょ?」


付録って‥‥

ってか、ついに菜摘もキレちゃったよ‥‥


「そう言う問題じゃないでしょ!!
 いつも勝手に決めちゃって、いつだって菜摘は誰が来るのかも言わないじゃない!!
 自分勝手に話を進めないでくれない?」

「はぁあ?
 自分勝手って何よ!!
 なら言わせてもらうけど、いつだって優希は動かないで、その癖ちゃっかりと美味しい思いしてるじゃん!!
 この前、私がお膳立てしてあげた合コンだって、何も言わずに佐々木さんと消えたじゃんか!!
 しかも、それが初めてじゃないでしょ!!」


いきなり口論を始めた優希と菜摘

これから、どうなっちゃうの?

どうしたら良いの?

そんな私の心の叫びなんて無視し、菜摘と優希からは只ならぬ険悪な雰囲気を漂わせながら、激しい口論を繰り返していたのだった


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