CINDERELLA STORY~貴方に巡り会えた奇跡~
万里也、あれ取って‥‥

万里也、俺の肉も焼いて‥‥

万里也‥‥

隣の席に座ってる中園さんの名前を呼ぶ吉岡

それに答える中園さんも、度々ヨッシーと声を掛けていて、選手の中でも特に仲が良さげに見えた


「瑠璃ちゃんは、ずっと海外に住んでるんだよね?
 生活になると、やっぱり違う?」

「えっ?
 どうかなぁ~
 確かに生活ってなると日本が一番って感じだけど、生活は時間が経過すると自然と慣れが来るって感じかな?」

「そっかぁ~
 時間が経過すれば慣れるのかぁ~」


不意に吉岡さんが質問して来て、勿論驚いたけど冷静に話すことが出来たのだが、吉岡さんは一人で納得するように烏龍茶を一気に飲み干したのだった


「吉岡さん‥‥」

「ん?」

「日本を離れて生活するの?」


私は自分が思った事を直球で伝えると、皆が驚いた顔をして私を見たのだった

な、何?

何か拙い事でも言った?

一斉に注目を浴びると、思わず戸惑ってしまう


「ヨッシーだけじゃなくてさぁ~
 いつかは日本を離れたいって、俺達の誰もが思ってる事だよ」


何だか雰囲気が重くなった時、ここは俺の番だろう!!って感じで、生真面目な優等生の長谷川さんが口を開くと、急にサッカーの話が話題になってしまった

どの国に行って、自分の力を試してみたいだとか、どこまで自分の力が世界に通用するのか‥‥

そんな話題に熱くなって語る選手達


「やっぱヨーロッパだよな?
 ヨッシーだって、ヨーロッパでプレーしたいだろ?」

「俺は‥‥
 あんまし国とか関係ないし‥‥
 ただ、もっとサッカーが上手くなりたいとは思ってるけどね」


島田さんが吉岡さんに話し掛けると、どこの国でも良いような言い方をしたが、もっと上手くなりたいと力強く言い切った

もっと上手くなりたいって気持ちは、私も同じだ

プロの歌手としてお金をもらって唄ってる以上、最高のステージを披露するのは私の役目だと思うし、その為には今以上に上手くなりたいと思っている

そうでなければ、お金を払って聴いてくれる人に申し訳がない


「そろそろ腹も膨れた事だし、席替えといきますか?」

「「良いねぇ~!!」」


せ、席替え?

突然立ち上がった永井さんが席替えを提案すると、待ってましたとばかりに河本さんと島田さんが手を叩いたのだった

そして、何故だか男の人達でジャンケンを始めた


「席替えって‥‥
 どうなっちゃうの?」

「ん?
 どうもこうも、私等の隣に誰が座るかを決めてるんだよ
 瑠璃‥‥
 吉岡さんが、瑠璃の隣を選んでくれたら脈ありかもよ♪」


私は小声で優希に聞くと、優希も小声で答えてくれたんだけど、脈ありなんて言われたら、なんだか複雑な心境になってしまった



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