CINDERELLA STORY~貴方に巡り会えた奇跡~
その日を境に、吉岡さんはPCのアドレスや携帯のアドレスからメールをくれるようになった

おはようだったり、これから練習に行ってくるだったり、昼に何を食べた?とか、本当に些細な事だけど、時間の経過と共にメールの回数が増えていき、何より驚いたのは電話だった

試合が終わった後、私がお疲れ様でしたってメールをした直後、今電話しても良い?ってメールが送信されてきて、たまたま私は休憩中だったので私から電話を掛けたのが切っ掛けで、それ以来電話で話す事も多くなった


『明日、最終リハーサルが終わったら外に出れるって言ってたけど、車で迎えに行くから、何処かに気分転換しに行く?』

「良いの?」

『良いよ!!
 練習が終わってる時間だし、着いたら電話するよ!!』


ドームでのリハーサルが終わり、ホテルに戻った直後に吉岡さんから掛かってきた電話

私は、明日の最終リハーサルが終わるのは午前中だった

その後は、翌日に備えて予定は組み込まれてないって話をすると、吉岡さんは私を誘ってくれたのだった

コンサートの最終日にまた会える

そう言っていたのに、その前に吉岡さんに会える

思いがけない出来事に私は嬉しくって、ホテルの部屋の中で洋服を引っ張り出しては、何を着ようかって考えながら夜を過ごしたのだった

そして最終リハーサル

日本のバックダンサーと、アメリカのバックダンサーとの合同練習が行われ、最終的に細かいリハーサルは早朝から4時間掛けて行われた

でも、この後は吉岡さんとデート

デートって言って良いのか分からないけど、でも私にとってはデートだ!!

そう思うと今まで以上に気合いが入り、いつもは7時間位は掛かるリハーサルも4時間で終わり、リハーサルが終わった事を吉岡さんにメールをして、それからホテルに戻ったのだった

そしてホテルに戻るなり、直ぐにシャワーを浴びて出かける準備に取り掛かる

私が用意した洋服は、身体に沿ったシルエットの花柄のレースの白とピンクのワンピース

胸元にはキラキラボタンとレースをあしらい、共布のリボンを後ろで結ぶとスタイルが良く見える服で、それにコーデをほど良くカジュアルにダウンさせてくれる、定番のアウターのGジャン

袖をパプデザインにしてあり、背中はレースアップさせているコンパクトなサイズ感からワンピースに良く合うし、何より女の子らしく仕上げてあるジャケットだ

それとヒールサンダルを合わせて、メイクはナチュラルに仕上げたのだった

ん~

完璧♪

そう思っていると、私の携帯がタイミング良く鳴り響いたのだった

手にした携帯を見ると吉岡さんからのメールで、ホテルの地下駐車場に着いたと言うメール内容だった

私の滞在しているホテルは、パパラッチやメディアの侵入には厳しく管理してくれている

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