CINDERELLA STORY~貴方に巡り会えた奇跡~
互いにゴシップ記事にはウンザリしてるのに、一夜だけのMeke Loveをしようっと誘って来るし、拒めばお堅いんだねって‥‥

はぁあ?って感じだよ

私はMeke Loveがしたいんじゃなく、ちゃんとした恋愛がしたい

そう思っているだけなのに‥‥


【日本に行く準備は出来たの?
 日本に到着したら、沢山のマスコミが待機しているだろうし、ファンも出迎えてくれているのよ!!
 ほら、用意した服に着替えて!!】


公式の場所で着る

それが条件で、ブランド業界がタダで服をくれるのは当たり前の世界

私はマネージャーに言われるまま、専属のスタイリストさんから渡された最新のDiorの服に着替え、髪型からメイクは勿論、ネイルまで完璧に仕上げてもらった

そして、自社の専用ジェットで日本に向かって出発したのだった





少しは休める

そう思ったものの、鬼マネージャーは許してくれやしない

飛行機に乗って、直ぐに作詞をしろって言い出したのだ

鬼!!

そう口に出せるなら出しているが、口では絶対にマネージャーには勝てないから、出しそうになった言葉を飲み込むと、私は題材になる小説と、映画の主題歌って事も頭に入れながら、シナリオを読みながらノートに言葉を綴っていくが、その横に座っているマネージャーからは、即座にダメだしされる始末

何枚も‥‥

何枚も書いてはダメだしを繰り返し、やっと歌詞が完成するのだが、今回は飛行機の中で書いた歌詞は日本に到着しても未完成のまま、中途半端になってしまったのだった

まぁ~

直ぐに完成する訳じゃない

何度も書いて、良い言葉は残しながら書き直し、そして良いモノが完成するのだ

でも、ジェニファーは鬼

悪魔だ!!


【疲れた顔しない!!
 笑顔よ!!
 笑顔!!】

【はぁ~い】


ロサンゼルス航空から羽田空港まで約10時間‥‥

その間、休む事無く作詞に没頭させられていた私は、顔に疲労が出ていたに違いない

それをマネージャーに指摘され、私は背筋を伸ばして空港に降り立ったのだった

パシャパシャと光るフラッシュ

ざわめき立つ歓声

手を振り笑顔で答えながら歩き、差し出された色紙にサインを書いたり、プレゼントをもらったりしながら用意された車まで移動

こんな私を、熱狂的に迎えてくれるって事だけでも有難いと思う


【この後、コンサートについての記者会見と、雑誌の対談と数社のTVインタビューよ!!】



< 5 / 132 >

この作品をシェア

pagetop