CINDERELLA STORY~貴方に巡り会えた奇跡~
自分が書いた作詞なのに、現実と重なり合うようで涙が溢れそうになった

でも、それが観客の心に響いたのか、ドームが歓声に反響して揺れているのが感じられた

ピアノを奏でてくれたジャクソンは満足気に笑ってくれている

つまり、大成功って事だ


【YURI
 ファンへの挨拶だ!!】


コンサートのプロデューサーからの指示が耳に当ててるスピーカーから聞こえ、私は慌てて立ち上がった


「私のコンサートに来てくれて、本当にありがとー♪
 今日で最後のコンサートになるけど、私も思いっきり楽しみたいし、皆も私と一緒に楽しんで盛り上がろうー!!」


そんな言葉をファンに向けて叫ぶと、それを合図としてバックダンサーがステージに現れた

ダンサーと共に激しいステップを踏み、ダンスをしながらノリのある曲を5曲程唄った後、次はピアノとバイオリンだけのバラード曲に変わる

そのバラードを3曲歌い切ると、昨夜念入りにアレンジしたノリのある曲になった

激しいダンスに、アップテンポに変更した曲

流れる汗が激しいダンスで吹っ飛び、もう爽快で気分がハイになって来ている自分がいる

楽しい

めちゃくちゃ気分が良い

こんな快楽、一度でも味わってしまったら止められないくらいだ

そして予定していた曲を全て歌い終わり、アンコールの声を聴きながら一度バックに下がった私は、水分補給しながら出るタイミングを伺い、再びステージに上がったのだった

アンコールは3曲‥‥

そして、そのアンコールの為に用意した曲が唄い終わると、サプライズとして新曲と、私が作詞作曲をした日本語の歌を唄う事になっていて、そのサプライズの為に、新曲に合わせた衣装も用意されていて、スタイリストがメイク道具を並べてスタンバイしてくれていた

アンコールの3曲は激しいダンスパフォーマンスの曲

バックダンサーと息の合ったダンスを披露しながら、用意していた3曲の歌が唄い終わると、それに合わせて紙吹雪が大砲のように噴射を始め、私はステージから消え去った

コンサートの開始の頃は、ブルーのスリットが入ったセクシーな衣装で、何度かの衣装を替えをして中盤を乗り越えた後、後半の方の衣装は身体のラインを更に強調してある過激な黒へと変わったのだった

そして5回に渡る紙吹雪の噴射が鳴ってる間、慌ただしく衣装を着替えながら汗を拭い、新たにメイクを施された私が再びステージに現れたのだった

そんな私は過激な黒の衣装とは一転して、真っ白なマーメイドラインのロングの衣装に着替えた私を、観客は歓喜の声を上げて迎え入れてくれた

まさかのサプライズ

それは大成功と言う形になって、日本での最後のコンサートが幕を閉じたのだった‥‥

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