CINDERELLA STORY~貴方に巡り会えた奇跡~
それに私達は普通の恋人同士とは違って、そんなに頻繁に会える訳じゃない

会えないからこそ、会える時間を大事にしたい

メディアにバレたら、その時に考えれば良い

パパラッチに追いかけられても、私達は自然体で居よう

そう決めたからこそ、私はダミーを用意する事もなく篤人が待ってる駐車場に出向き、篤人の車に乗り込んだのだった


「昨日は寝れた?」

「ん~
 少しだけかな?
 篤人は?」

「実は、俺もあまり眠れなかった‥‥」


乗り込んだ車の中で、互いに顔を見合わせながら私達は笑ってしまった

篤人が言うには、今までサッカーが中心の毎日だったから彼女が出来たのは私が初めてらしい

小学校から始めたサッカー

中学も遅くまで部活が忙しく、高校に入っても片道2時間を掛けて電車で通い、駅からはお母さんに送り迎えをしてもらっていたって言っていた篤人は、夜遅くまでサッカーの練習をして、車の中で朝晩のご飯を食べて勉強もしていたって言っていた

だから、彼女なんて作ってる暇がなかったらしい‥‥

そして高校3年の時にプロから声が掛かって、高校を卒業してプロの世界に入団するなりスタメンでデビュー

それから直ぐにA代表

つまり、国際Aマッチ‥‥

年齢制限のないサッカーのAナショナルチーム代表同士が国際試合をする事らしく、A代表の試合はFIFAランクの記録に残るらしく、つまり日本サッカー選手の中でも、所謂TOPクラスが人達が集結したチームのスタメンにも選ばれ、国内試合は勿論の事ながら、国際試合もしなくてはならなかったから、彼女とか作っている暇がなかったらしい

それに、自分から行動するのは苦手だと言った篤人

気になる人が居ても、自分からはアピったり出来なくて、だた良い子だな~ってだけで終わってしまっていたらしい

でも、私の時だけは違った

誰にも奪われたくない

その気持ちが強すぎて、自分でも予測不可能な行動に出てしまったっと苦笑いを浮べた篤人だったが、結果的に予測不可能な行動を取って良かったっと、改めて言われた時は恥ずかしさのあまり、私は篤人を直視出来なかった

そんな私だって、恋なんて呼べるような恋をしたとは言えない

疾風の事だって彼氏と言うには短過ぎた恋だったし、確かに覚えているのは手を繋いだ記憶はあるって位だ

キスだって、篤人が初めて‥‥

不意に昨日のキスを思い出し、私は顔が火照り出してしまった

私、初めて男の人とキスしちゃった‥‥

キスだよ

キス!!

21にもなって、キスが未経験だなんてって呆れられていたが、そんな事は二度と言わせないんだから!!

< 71 / 132 >

この作品をシェア

pagetop