CINDERELLA STORY~貴方に巡り会えた奇跡~
あっ!!

でも、やっぱりジェニファーに教えてなんてやらない

これは、私だけの秘密♪


「何処か行きたい場所とかある?」

「えっ?」


あぁ~~~!!

あまりに嬉しくって、何処かに行きたいなんて考えてなかった

何処でも良いなんて言うのは、計画性のない女とか思われない?

どうしよう‥‥

日本に滞在するのは今日が最後だ

折角、篤人とのデート

何処に行こう‥‥


「じゃあ、篤人の母校とか行ってみたい」


私が咄嗟に出たのは、篤人の母校だった

篤人が、どんな学生時代を過ごしたのか興味もあったし、何よりゆっくり時間を過ごしたかったからって言うのもある

でも、確か篤人って静岡の人だったよね?

東京からだと、ちょっと遠いかな?

迷惑かな?

そう思った私は、恐る恐る篤人の顔を見ると不意に視線が重なり合い、私の顔は恥ずかしさから赤面するのが自分でも分かった


「良いよ!!
 じゃあ、俺の高校だけじゃなくて、どうせなら地元も案内するよ」

「本当に?
 もし迷惑だったら‥「迷惑じゃないって!!」


爽やかな笑顔を向けて私の言葉を遮った篤人

やっぱり、カッコイイなぁ~

この人が、私の彼氏なんだよね?

なんだか、今でも信じられない

私は夢でも見てるんじゃないかって思ってしまう


「あ、篤人ってお姉さんが居るんだよね?」

「そう、2つ上に姉ちゃんが居るよ!!
 父さんが地元の中学校の体育の教師で、中学に入った時は姉ちゃんと父さんと3人で同じ中学に通ってた」

「同じ中学?
 そっかぁ~、お姉さんは中学3年で篤人が1年生、お父さんは職場だもんね
 それって、どんな感じだったの?」

「別に普通だよ
 職員室に行くと父さんが居て、だけど父さんが担当になるって事はなかったから、父さんが居るなぁ~って思っただけ‥‥
 体育祭とか合同練習がある時は、篤人っとか呼ばれたけど他は互いに存在は感じてても声を掛ける事はなかったよ」

「じゃあ、家で学校の話をするの?」

「それもなかったかな?
 それに、俺って目立ってる生徒でもなかったしね」


ん?

目立ってる生徒じゃなかった?

プロのサッカー選手になるくらいなんだから、絶対に人気だってあっただろうし、篤人の整った顔立ちだったらモテたに違いない


「嘘だ!!
 絶対にモテたでしょ~」

「嘘って‥‥
 嘘なんて付いてないよ
 俺の学生時代なんて目立つような奴じゃなかったし、大人しい部類の奴だったよ」

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