CINDERELLA STORY~貴方に巡り会えた奇跡~
篤人の言う通りなのかもしれないけど、メディアの恐ろしさは半端ないよ

色んな事をでっち上げて騒ぎ立てる

それが世間を喜ばせるんだもの

そんな事に私は慣れてるけど、篤人は違う

篤人はサッカー選手

芸能界の人間ではない

私だって自然体のままで居たけど、メディアが騒ぐ事で篤人に迷惑がかかったら‥‥

そう思うと、何だか複雑な心境になってしまう

私は篤人にサッカーに集中してもらいたい

頑張ってる彼を応援したい

なら、私が出来る事は篤人を過激なメディアから守る事だ

もし私達の交際が世間にバレたら、私が全て背負う覚悟をしているって事は篤人に黙っとこうって決めている

何も心配しなくても大丈夫なように、篤人がサッカーに集中出来るようにするのが私の出来る事だ

それに料理も覚えなきゃ!!

スポーツ選手にとって、栄養バランスの摂れた食事が大事だとネットに書いてあった

勿論、メンタルケアも大事らしい

メンタルに関しては私がメディアから守るとして、先ずは私が覚えなきゃならないのは料理だよなぁ~

全く料理なんてした事がなかったから、お母さんに教えてもらって料理を覚えなきゃ

時間があれば、料理学校とかにも通いたいなぁ~

和食は基本だろうし、家庭料理とかを覚えたい

ってか、私に料理が出来るのか心配だけど、やってみなければ始まらない

優希が言っていた

男の心を鷲掴みするなら、胃袋を押さえろって‥‥

胃袋さえ押さえてたら、自分の所に帰って来たくなるって言っていた

あとは理解と優しさ

ガミガミと言うのでなく、感謝とお願いを使い分けながら彼を理解して、優しさをもって接するのが効果的らしい‥‥

そんな優希のマニュアル通りにはいかないかもしれないけど、私らしく篤人に接していきたいとは思ってる


「ちょっと休憩入れる?」

「えっ?
 うん‥‥」


東京から神奈川の蛯名サービスエリアに車を停車させた篤人

私は車から降りると、先ずはトイレに向かった

平日だと言うのに、夏休みって事もあってドライブインは混雑している

私は掛けていたサングラスを外しメイクのチェックをした後、トイレの近くで壁に寄り掛かってる篤人の傍に戻ると、篤人が冷たいペットボトルのお茶を手渡してくれたのだった


「ありがとう♪
 それにしても、凄い混みようだね!!」

「あぁ~
 このサービスエリアって、凄く有名だからな!!」

「そうなんだぁ~
 篤人は疲れてない?」

「俺は平気だけど、瑠璃は大丈夫か?」

「うん♪
 ぜんぜん疲れてないよ♪
 篤人と一緒だから、凄く楽しい!!」


凄い人混みだけど、誰も私達の事に気が付いてない

メロンパンらしき物を手にしてる人

ソフトクリームを食べてる人

沢山の人が私達の前を行き交うが、案外私達の素性はバレないものだ

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