追いかけた夢。
この人は嘘をついているようにはみえない。
「私は本気で人に感動をあたえるバンドつくりたいと思ってるよ?」
「それ本気で言ってんの?」
「当たり前じゃん!冗談で言えないよ!」
......。
「それって、俺をバンドに誘ってる?」
私はうなずいた。
そうやって言ってるようなもんだよね。
察してくれた方がありがたいからいいけど。
「俺さ、このつまらない世界が嫌いなんだよね」
「は?」
「悪いこと言ってごめんね、平凡な生活が嫌なんだ」
「それがバンドにどうつながるの?」
「つまんなさそうにしてたら親がギター買ってきたんだ、楽しかった」