Jewel Box
昨日会った彼の事をさほど意識してるつもりはなかったが、やはりあたしの中で彼の存在は大きかったらしい。



今、目の前にいる彼はあたしを見るなりフッと笑った。


「それとも身体で払う?」


その言葉に再び意識を現実に戻す。



怖い。
体が震える。


彼の周りにいる他3人もおもしろそうにあたしをみている。



「おっ……お金!」


あたしはバッグから慌てて財布を取り出す。



手が震えて、財布からお金を取り出す事が出来ない。



それでも何とか取り出して、あるだけの札束を彼に差し出した。




「ふーん……。おねーさん、お金一杯持ってるんだねえ…。でも今、俺達―――」



―!!!


刹那だった。

< 28 / 84 >

この作品をシェア

pagetop