Jewel Box




「ねえっ!!」


彼が驚いて顔を上げたと同時に、あたしはある物を投げた。


漣の手の中に納まったある物。


「………鍵?」


漣は不思議そうに鍵を見つめる。




「そう、留守番しといて」


最初は意味分からなそうに首を傾げていたが、少しした後小さな声で‘ありがとう’と言った。



「はぁ? 何であたしが留守番してもらうのにあんたに礼言われなきゃならないのよ」




背を向けて歩き出すと、しばらくして後ろでドアの閉まる音がした。





マンションを出て最寄りのコンビニまで行く。





スナック菓子やおつまみ、ビールを持ってレジに向かう。

「…………」

会計中少し悩んでからホットドリンクのコーナーから蜂蜜れもんに手を伸ばして、追加してから家路に就いた。




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