Jewel Box



漣が体を起こしたせいで、布団が床にパサリと落ちた。


それに気付いた漣は布団を拾い、ありがとうと口にする。




「はい、これ。だいぶ冷めたけど」


袋の中の蜂蜜れもんを取り出して彼に差し出す。



「え? いいの?」


「うん」


嬉しそうに顔を緩めた漣は、目の前の蜂蜜れもんに手を伸ばした。


「おねーさん何で俺の好きなもの分かったの?」


「分かる訳ないじゃん」


そうだよねと呟き、笑う彼。




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