Jewel Box

「いや、戻って来たんだよ、戻って」

戻って来たを強調する漣。
あたしは、は?と口にする。

携帯で時間を確認するとまだ10時だった。


「嫌がらせかな。まだ入れないんだよね」


確かに家に入れない事は同情するが時間帯はお昼に近い。



風邪をひいてるならまだしも彼はもう元気そうだ。



「なら友達の家とか行けばいいでしょ」


「んー……。俺シャイボーイだから女の子の友達居ないんだ。なんか男同士で食べるのってむさくるしいだろ?」



そんな事はないとあたしは思う。


それに自分でシャイ宣言するか?



絶対に女の子の友達多そうだし。



あぁ……駄目だ。
何あたしはこんな突っ込んでるんだ。




「じゃあ1人でファーストフードでも食べに行って来れば?」



ほら。
あたしは普通の人より冷たい人間なんだ。



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