Jewel Box
いや、もしかしなくてもそうだろう。
だって普通にこんなの食べたくないでしょ。
「別に無理しなくてもいいから」
「いやっ! 俺が食べたいのっ!」
半ば無理矢理に皿をあたしの手から奪いテーブルに戻す漣。
「……もうどうなってもしらないから」
例え焦げた物の食べ過ぎで癌なってもしらないから。
そんな忠告を込めて。
「いただきまーす」
律儀に手を合わせる漣を横目で見ながらあたしはスプーンを持つ。
オムライスを一口口の中へ。
ん………。
「………美味しい」
卵のふんわり感が口の中いっぱい広がった。